系統用蓄電池(蓄電所)の電気主任技術者|低圧でも選任か外部委託が必要

電力会社などの送配電網(系統)に単独でつなぐ蓄電池、いわゆる系統用蓄電池は、低圧(600V以下)で小さなものでも電気事業法上の「蓄電所」として事業用電気工作物にあたり、2022年12月から保安規程の届出と電気主任技術者の選任(または外部委託の承認)が必要です[1][2][3]。これから始まるルールではなく、すでに施行されているルールです。

事業用電気工作物は、一般家庭の電気設備などとは区別され、設置者に保安の義務がかかる電気設備の区分です。保安規程は、設備の保安のために設置者(蓄電所を設置して運用する事業者)が定めて国に届け出るルールです。電気主任技術者(以下、主任技術者)は、設備の保安を監督する人で、原則として国の免状を持つ人から選びます。外部委託の承認は、主任技術者を自社で選任する代わりに、外部の専門家(免状を持つ個人の「電気管理技術者」や、法人の「電気保安法人」)に保安の監督を委託することを国が認める手続きで、承認を受ければ主任技術者を選任しなくてよくなります。

個別の設備が蓄電所にあたるか、点検の回数などがいくつになるかは、設置場所を管轄する産業保安監督部(経済産業省の地方機関)が判断します。この記事で示す数値や区分は、条文から読み取った目安としてお読みください。後半には、外部委託で蓄電所を受けたい電気主任技術者の方向けの節もあります。

単独で系統につなぐ蓄電池は「蓄電所」にあたる

「蓄電所」の定義

「蓄電所」は、電気設備に関する技術基準を定める省令(電気設備が守るべき安全基準を定めた国の省令)の第1条第4号で、次のように定義されています[1]。

「蓄電所」とは、構外から伝送される電力を構内に施設した電力貯蔵装置その他の電気工作物により貯蔵し、当該伝送された電力と同一の使用電圧及び周波数でさらに構外に伝送する所(同一の構内において発電設備、変電設備又は需要設備と電気的に接続されているものを除く。)をいう。

言い換えると、敷地(法令では「構内」)の外の系統から受けた電気を蓄電池にためて、同じ電圧・周波数のまま敷地の外へ送り出す設備のうち、同じ敷地の中で発電設備・変電設備(電圧を変える設備)・需要設備(工場や建物など、電気を使う側の設備)とつながっていないものが蓄電所です。定義には低圧・高圧の区別も、出力の下限もありません。

同じ敷地で家庭・建物や発電設備の電気設備につながった蓄電池は蓄電所ではない

同じ敷地の中で発電設備・変電設備・需要設備とつながっている蓄電池は、規模にかかわらず蓄電所に含まれません[2]。こうした併設の蓄電池は、つながっている設備(発電所や、工場・建物の電気設備など)の一部として扱われ、主任技術者が要るかどうかも、その設備全体の区分で決まります。たとえば高圧で受電する工場の設備に併設した蓄電池は、その工場の主任技術者が設備全体として監督します。家庭に置く蓄電池は一般用電気工作物(一般家庭の電気設備などが入る区分)の一部として扱われ、主任技術者を選任する義務はありません[4][5]。

つまり、単独で系統につないでいれば、大きさにかかわらず蓄電所として主任技術者が必要になり、併設なら、つながっている設備全体のルールに従います。

低圧・小規模でも事業用電気工作物になる理由

電気事業法は、電気工作物(電気設備)を「一般用電気工作物」と、それ以外の「事業用電気工作物」に分けています。一般用に入るのは、低圧で受電して構内で電気を使う設備と、出力10kW未満の太陽電池発電設備などのごく小さな発電設備です。事業用のうち、出力10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備と出力20kW未満の風力発電設備は「小規模事業用電気工作物」として、保安規程と主任技術者の義務から外されています(法第38条・第42条・第43条、施行規則第48条)[3][5]。

単独で系統につなぐ蓄電所は、一般用電気工作物にも小規模事業用電気工作物にも入っていません。蓄電所は系統から電気を受けますが、構内で使うためではなく、ためた電気を系統へ送り出す設備です。経済産業省は2022年の審議会資料で、蓄電所は規模にかかわらず事業用電気工作物として扱い、「全ての蓄電所を対象として、保安規程の届出や電気主任技術者の選任、技術基準維持義務を求める」案を示し[4]、この考え方が2022年12月1日施行の改正で制度になりました[2][3]。このため、蓄電所は出力が小さくても、低圧で連系(送配電網につなぐこと)していても、事業用電気工作物です[3]。

後で説明する外部委託や許可による選任を使えるのは、事業用電気工作物のうち「自家用電気工作物」にあたる設備です。法律は、事業用電気工作物から次の①②に使う設備などを除いたものを自家用電気工作物と呼びます(法第38条第4項、施行規則第48条の2)[3][5]。①一般送配電事業など、送配電網を運営する事業。②発電事業のうち、小売電気事業などのために系統へ送る最大の電力(接続最大電力)の合計が200万kWを超えるような、ごく大規模なもの。名前に「自家用」とありますが、自分で使う設備に限りません。電気を売るために放電する蓄電所でも、①②にあたらなければ自家用電気工作物です。

2022年12月1日から施行、既設分の猶予も終了

蓄電所の定義と保安規制は、2022年12月1日に施行された政令・省令などの改正で始まりました[3]。

施行の時点ですでに設置されていた、または工事に着手していた蓄電所には、主任技術者の選任について、施行から3年間は改正前のルールによることができる経過措置がありました。この期間は2025年11月末で終わっています。変更の工事を行う蓄電所は、期間中でも、その工事を始めた後は経過措置の対象外でした[3]。

電気事業法にもとづく手続きの一覧

経済産業省の「電力貯蔵装置(蓄電池)・蓄電所を設置する場合の手引き」は、蓄電所の手続きを出力と容量で2つに分けて整理しています[2]。低圧の小さな蓄電所は、表の「出力1万kW未満かつ容量8万kWh未満」にあたります。表の「法」は電気事業法です。

手続き・義務(根拠) 出力1万kW未満かつ容量8万kWh未満 出力1万kW以上または容量8万kWh以上
技術基準に適合するよう維持する義務
法第39条
必要 必要
保安規程の届出
法第42条
必要 必要
電気主任技術者の選任
法第43条
必要(外部委託の承認・許可による選任の方法あり。後の節で説明) 必要
基礎情報の届出
法第46条
不要 不要
工事計画の届出・使用前安全管理検査
法第48条・第51条
不要 必要
使用前自己確認の届出
法第51条の2
不要 不要
事故が起きたときの報告
電気関係報告規則
対象 対象
  • 保安規程:保安の組織、保安教育、巡視・点検・検査、運転・操作などを定めます。届け出る時期は、小さな蓄電所では使用開始の前、使用前の自主検査が必要な大きな蓄電所では工事開始の前です(法第42条、施行規則第50条)[3][5]。
  • 工事計画の届出・使用前安全管理検査:工事の計画の届出と使用前の自主検査で、大きな蓄電所だけの手続きです[2][5]。
  • 基礎情報の届出と使用前自己確認は、小規模事業用電気工作物や一定規模の太陽電池発電設備などの手続きで、蓄電所には求められていません。混同しやすいため表に載せています[2][3][5]。

この表は、電気事業法などにもとづく保安の手続きです。送配電事業者への系統連系の申込みや、ほかの法令にもとづく手続きは含みません。

経済産業省の資料は、蓄電所の出力と容量を、蓄電所の中の電力貯蔵装置(蓄電池)の合計値で判断するとしています。パワーコンディショナ(直流と交流を変換する装置)の値ではありません[2]。この記事に出てくる蓄電所の出力(外部委託の5,000kW、許可による選任の500kW、換算係数の区分など)も、この値が目安です。分からない場合は、メーカーや設計会社に確認してください。

事故が起きたときは、設置者が、電気関係報告規則にもとづき管轄の産業保安監督部に報告します。蓄電所の規模にかかわらず、感電などによる死傷(死亡または入院)、電気火災(工作物の半焼以上)、他の物件に損傷を与えた事故などが対象で、容量20kWh超の蓄電所では主要な設備の破損事故も対象です(容量20kWh超の電力貯蔵装置を対象とする改正は2025年11月20日施行)。報告は、事故を知ってから24時間以内にできるだけ早く電話などで行い、30日以内に報告書を出します(同規則第3条)[2][6]。

電気主任技術者を確保する3つの方法

選任の義務を満たす方法は、次の3つです。自家用電気工作物にあたる、出力500kW未満で低圧連系の蓄電所なら、条文上は3つのどの方法も対象になり得ます。

  • 選任(自社の社員など):電気主任技術者の免状を持つ人を選任し、届け出る。原則は設置者の役員・従業員で、内規の条件を満たせば、派遣社員や保安の業務を請け負う会社の社員も選任できる(いわゆる外部選任。選任する蓄電所に常時勤務することが条件)。
    使える蓄電所:規模の制限なし。免状の種類で監督できる範囲が決まり、第三種は電圧5万V未満・出力5,000kW未満まで(法第43条第1項・第3項、施行規則第56条)
  • 外部委託の承認:電気管理技術者または電気保安法人と委託契約を結び、国(産業保安監督部長)の承認を受ける。承認を受ければ主任技術者を選任しなくてよい。
    使える蓄電所:自家用電気工作物で、出力5,000kW未満・電圧7,000V以下で連系するもの(施行規則第52条第2項第1号)
  • 許可による選任:国(産業保安監督部長)の許可を受けて、免状を持たない人(第一種電気工事士など、内規の要件を満たす人)を主任技術者に選任する。
    使える蓄電所:自家用電気工作物で、出力500kW未満のもの(法第43条第2項、内規)

上の「内規」は、経済産業省の「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」です[7]。外部選任は選任の一つの形で、外部委託とは別の制度です。人が常駐しない蓄電所で使えるかは、監督部に確認してください。以下、外部委託を受ける電気管理技術者・電気保安法人を「委託先」と呼びます。

選任する場合、1人の主任技術者に複数の蓄電所を兼ねさせるには別に承認が要ります(施行規則第52条第4項)[3]。

どの方法でも、設備を技術基準に適合した状態に保つ義務(法第39条)と、保安規程を守る義務(法第42条第4項)は設置者にあります[5]。外部委託は保安の監督を委託先に任せる制度で、設置者の責任がなくなるわけではありません。

外部委託を使う場合の流れと期限

主任技術者は、設備の工事・維持・運用の保安を監督する役目です(法第43条第1項)[5]。選任は「設置の工事のための事業場」、つまり設置の工事の段階にある蓄電所ごとに行うと定められていて(施行規則第52条第1項)、外部委託の承認も、この段階の蓄電所について受けるものです(同第2項)[3]。そのため、工事を始める前に、主任技術者の選任か外部委託の承認を済ませておく必要があります。

  1. 【計画の段階】出力と連系する電圧を確かめ、外部委託の対象(出力5,000kW未満・電圧7,000V以下で連系)にあたるかを確認します[3]。
  2. 【工事の前】委託先を探して委託契約を結びます。契約には、告示(経済産業省の告示第249号)で決まった頻度の点検や、事故など非常時の連絡の方法などを定めます(施行規則第53条第2項)[3][8]。委託先は、主な連絡場所から蓄電所へ2時間以内に到達できることが条件です[7]。
  3. 【工事の前】設置者が、外部委託の承認を申請し、承認を受けます。申請書には委託契約書の写しなどを添えます(施行規則第53条第1項)[3]。
  4. 【使用を始める前】保安規程を作り、届け出ます(法第42条)[5]。
  5. 【工事中・運転を始めてから】委託先が工事期間中の点検を行い、運転を始めてからは告示の頻度で点検を行います(頻度は後半の技術者向けの節を参照)[7]。

届出と申請の窓口は、原則として設置場所を管轄する産業保安監督部です(設備が複数の監督部の区域にまたがる場合などは経済産業省本省)[3][9]。各監督部の電力安全課の連絡先は、経済産業省の手引きのページに載っています[2]。承認までにかかる期間や保安規程の様式は、監督部に確認してください。

外部委託を相談する前に用意するとよい情報

次の情報がそろっていると、外部委託の対象になるかの確認や、委託先の見積もりが進めやすくなります。

  • 所在地(市区町村まで):委託先は、蓄電所に2時間以内に到達できる場所にいる必要があります[7]。
  • 出力(kW)と容量(kWh):外部委託できるか(出力5,000kW未満)、工事計画の届出が要るか、委託先が受け持てる量の計算(換算係数。後半で説明)に関わります[2][8]。複数の蓄電池をどこまで1つの蓄電所と数えるかは、監督部に確認します。
  • 連系する電圧:低圧か高圧かなど。外部委託できるのは電圧7,000V以下で連系する蓄電所です[3]。
  • 受変電設備の構成:電力会社などの設備との保安上の境目(責任分界点)から、パワーコンディショナの系統側の接続箇所までの設備を、告示は「受変電設備」と呼びます[8]。種類によって点検の回数と、委託先が受け持てる量の計算が変わります(種類は後半の表)。単線結線図(電気の流れと主な機器を1本の線で表した図面)があると話が早く進みます。
  • 遠隔監視の有無と、警報を委託先に伝える仕組み:一定の監視体制が認められると、受変電設備の点検の回数の区分が変わります[7][8]。
  • 運転開始(予定)日と工事の日程:工事の前に外部委託の承認が必要で、委託先は工事期間中の点検も行います[3][7]。
  • 設置者側の連絡責任者:保安に必要なことを委託先に連絡する人を選任しておくことが求められます[7]。
  • 複数の蓄電所がある場合は、その一覧。
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外部委託で蓄電所を受けたい電気主任技術者の方へ

第三種で監督できる範囲と、外部委託を受ける要件

第三種電気主任技術者が監督できるのは、電圧5万V未満の事業用電気工作物で、出力5,000kW以上の発電所・蓄電所は除かれます(施行規則第56条)[3]。外部委託できる蓄電所(出力5,000kW未満・電圧7,000V以下で連系)は、すべてこの範囲に収まります。

外部委託を受ける電気管理技術者には、免状に応じた実務経験(第三種は原則5年で、講習や訓練の修了で短くなる場合があります)、点検に必要な機械器具、担当する事業場の換算値(いわゆる点数。次の見出しで説明)の合計が33未満であること、などの要件があります(施行規則第52条の2、告示第249号)[3][8]。機械器具は告示第2条に定められ、太陽電池発電所・燃料電池発電所・蓄電所・需要設備・配電線路を管理する事業場だけを受け持つ場合は、騒音計・振動計・回転計が除かれます[8]。要件の全体は、電気主任技術者の「外部委託」とは|仕組み・報酬相場・始め方で解説しています。

換算値(点数)の決まり方

外部委託の技術者1人が受け持てる量は、担当する事業場ごとの「換算値」(いわゆる点数)の合計で測り、合計を33未満に収める決まりです[8]。蓄電所の換算値は、出力の区分ごとに決まった「換算係数」(下の表)に、受変電設備の種類と監視体制に応じた「掛け率」(0.25〜0.36。次の節で説明)を掛けて求めます(告示第249号第3条)。掛け率は告示に名前がなく、経済産業省の審議会資料では「圧縮係数」と呼ばれています[4]。蓄電所の換算係数は2022年12月から告示に定められていて、告示の表の「発電所」の欄と同じ値です[8]。

蓄電所の出力 換算係数
100kW未満 0.3
100kW以上300kW未満 0.4
300kW以上600kW未満 0.6
600kW以上1,000kW未満 0.8
1,000kW以上1,500kW未満 1.0
1,500kW以上2,000kW未満 1.2
2,000kW以上2,500kW未満 1.4
2,500kW以上3,500kW未満 1.6
3,500kW以上5,000kW未満 1.8

たとえば出力100kW未満の蓄電所で、受変電設備が「低圧受電のもの」にあたり、監視体制がない場合、条文上の換算値は0.3×0.33(次の節の表の1行目)=0.099(約0.1)です。

点検の頻度と掛け率

外部委託では、設備を動かしたまま行う「月次点検」を告示で決まった頻度で行い、主に停電して設備を止めて行う「年次点検」を原則1年に1回以上行います(告示第249号第4条、内規)[7][8]。年次点検には、信頼性が高く、年次点検の項目と同等と認められる点検が1年に1回以上行われている機器は、停電して行う点検を3年に1回以上にできる、というただし書があります[7]。

「月次」という名前ですが、毎月とは限らず、設備の部分ごとに頻度が決まっています。蓄電池などの受変電設備以外の部分は6か月に1回以上、受変電設備は種類と監視体制によって次のとおりです(各マスの下の小さな数字が掛け率)。掛け率は、点検の間隔から計算する値ではなく、種類ごとに告示で決まっている値です[8]。

受変電設備の種類 監視体制なし 監視体制あり
低圧受電のもの、または高圧でも信頼性の高い4つの条件(表の下に記載)をすべて満たすもの 3か月に
1回以上
掛け率 0.33
4か月に
1回以上
掛け率 0.32
高圧で、告示第4条第6号本文・第9号の需要設備(設備容量64kVA未満の小規模な高圧需要設備など)に準ずるもの 4か月に
1回以上
掛け率 0.32
5か月に
1回以上
掛け率 0.32
高圧で、告示第4条第6号ただし書の需要設備(2行目の小規模な高圧需要設備のうち、施行規則第96条に定める登録点検業務受託法人が点検を受託しているもの)に準ずるもの 6か月に
1回以上
掛け率 0.31
6か月に
1回以上
掛け率 0.31
上の3行のどれにもあたらないもの 2か月に
1回以上
掛け率 0.36
3か月に
1回以上
掛け率 0.33

1行目の4つの条件は、柱上に高圧変圧器がない、キュービクル外の高圧負荷開閉器に可燃性の絶縁油を使っていない、責任分界点の近くに地絡保護つきの開閉器か地絡遮断器がある、責任分界点から主遮断装置までに決められた以外の変成器がない、です(告示第4条第7号)。高圧の受変電設備がどの行にあたるかは、監督部に確認してください[8]。

掛け率0.25は、告示の「受変電設備」を持たない蓄電所に当てはまります。ただし告示の定義では、責任分界点からパワーコンディショナまでの設備はすべて受変電設備なので、間に開閉器や電線があれば受変電設備を持つと読めます。この記事が、低圧の蓄電所の目安として「低圧受電のもの」(掛け率0.33)を例にしているのはこのためです。点検の日程は、部分ごとの頻度を満たすよう保安規程と委託契約で定めます[3][8]。

「監視体制あり」は、蓄電所が「随時監視制御方式」(火災やパワーコンディショナの異常停止などのとき技術員に警報が届く)か「遠隔常時監視制御方式」(制御所で常時遠隔監視する)で施設され[10]、警報を委託先に速やかに伝えて対応できる体制がある場合などです[7]。これは点検の回数の区分の話で、点検を現地に行かずに遠隔地から行えるかとは別です。遠隔地からの月次点検は、内規で太陽電池発電所(受変電設備を除く)などに認められていますが、蓄電所の名前はなく、監督部への確認が必要です[7]。

到達時間と、受け持てる件数の考え方

外部委託では、委託先の主たる連絡場所が事業場に「遅滞なく到達し得る場所」にあることが承認の条件で、内規はこれを2時間以内としています[3][7]。蓄電所は換算値が小さいため、点数の上限(33未満)だけで受け持てる件数が決まるわけではありません。実際の件数は、2時間以内に到達できる範囲、部分ごとの点検の回数、移動にかかる時間で決まります。

蓄電所の保安の仕事がどれだけ増えるかを示す公的な数字はありません。2026年9月17日の経済産業省の資料も、電気保安の人材の2040年の需給の推計で、蓄電池の分は保安の人数などの想定が難しいとして、切り分けて推計していません[11]。

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まとめ

  • 単独で系統につなぐ蓄電池は、低圧・小規模でも事業用電気工作物の「蓄電所」(2022年12月1日施行。既設分の経過措置も終了)
  • 保安規程の届出と、主任技術者の選任(または外部委託の承認)が必要。工事計画の届出は出力1万kW以上または容量8万kWh以上のときだけ
  • 出力5,000kW未満・電圧7,000V以下で連系なら外部委託を使え、承認は工事の前に受ける
  • 同じ敷地の中で家庭や建物の電気設備・発電設備につながっている蓄電池は、蓄電所ではない
  • 出力100kW未満・低圧受電なら換算値は約0.1(0.3×0.33)。点検は蓄電池などで6か月に1回以上、低圧受電の受変電設備で3か月に1回以上、年次点検は原則1年に1回以上
  • 個別の判断は管轄の産業保安監督部が行う

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出典

  1. 電気設備に関する技術基準を定める省令 第1条(e-Gov法令検索・現行の条文) https://laws.e-gov.go.jp/law/409M50000400052(2026-10-06取得・公的資料)
  2. 経済産業省「電力貯蔵装置(蓄電池)・蓄電所を設置する場合の手引き」 https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/denryokucyozousouchi.html / 同ページ掲載「(2)蓄電所における容量(kWh)と出力(kW)の考え方について」 https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2025/11/20251113-011.pdf(2026-10-06取得・公的資料)
  3. 電気事業法施行規則 第48条・第48条の2・第50条・第52条・第52条の2・第53条・第56条・第74条(別表第六)、令和4年経済産業省令第88号附則(e-Gov法令検索・現行の条文) https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50000400077(2026-10-06取得・公的資料)
  4. 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会 電気保安制度ワーキンググループ 第10回(2022年4月15日)資料1「蓄電所に対する保安規制のあり方について」(経済産業省 電力安全課) https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/hoan_seido/pdf/010_01_00.pdf(2026-10-06取得・公的資料)
  5. 電気事業法 第38条・第39条・第42条・第43条・第46条・第48条・第51条・第51条の2(e-Gov法令検索・現行の条文) https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170(2026-10-06取得・公的資料)
  6. 電気関係報告規則 第1条・第3条(e-Gov法令検索・現行の条文) https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50000400054 / 経済産業省「「電気関係報告規則」等の一部改正について」(2025年11月20日) https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2025/11/20251120-1.html(2026-10-06取得・公的資料)
  7. 経済産業省「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」(20250318保局第1号まで改正の版) https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/syuningijutsusya_naiki.pdf(2026-10-06取得・公的資料)
  8. 平成15年経済産業省告示第249号(電気事業法施行規則第五十二条の二第一号ロの要件等に関する告示。令和7年3月31日改正まで反映した北海道産業保安監督部の掲載版) https://www.safety-hokkaido.meti.go.jp/denki_hoan/itaku_sinsei/img/kokuji249-r7.pdf(2026-10-06取得・公的資料)
  9. 電気事業法施行令 第47条(e-Gov法令検索・現行の条文) https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000206(2026-10-06取得・公的資料)
  10. 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」第47条の3(常時監視をしない蓄電所の施設。20251104保局第2号まで改正の版) https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/dengikaishaku.pdf(2026-10-06取得・公的資料)
  11. 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会 第36回(2026年9月17日)資料1-1「電気保安分野を巡る環境変化を見据えた中長期的な安全確保に向けて」(経済産業省 電力安全課) https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/pdf/036_01_01.pdf(2026-10-06取得・公的資料)
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