外部委託 vs 直雇用(ビルメン)|電気主任技術者の働き方を年収・自由度で比較

電気主任技術者の働き方には、大きく分けて会社に雇われる「直雇用」と、個人事業主・法人として複数施設を受け持つ「外部委託」があります。どちらが向くかは、収入の考え方・働く自由度・安定性のどれを重視するかで変わります。

この記事では、両者を年収・自由度・安定性・始めやすさで比較し、それぞれに向く人を整理します。数字は出典と取得時点を明記しています(相場は変動します)。

直雇用(ビルメンなど)と外部委託の違い

まず、契約の形と責任の所在が異なります。

  • 直雇用:ビル管理会社・工場・設備管理会社などに社員として雇われ、選任された施設の保安を担う。雇用契約。
  • 外部委託:保安管理業務外部委託承認制度を使い、個人(電気管理技術者)または電気保安法人として、複数施設と委託契約を結ぶ。委任・請負契約[1]。

直雇用は「組織の一員として安定して働く」、外部委託は「独立して自分の裁量で受け持つ」働き方といえます。

年収で比較する

直雇用(ビルメン)の年収

電気主任技術者だけを取り出した公的な年収の統計はありません。近い職種の公的統計(令和7年)では、ビルの設備管理を含む「ビル施設管理」の平均年収が452.3万円、発電所・変電所の運転や保守の「発電所運転管理」が707.3万円、電気設備の設計や維持管理などの「電気技術者」が703.9万円です[2]。同じ直雇用でも、ビルの設備管理か、発電所などの電気設備かで水準が大きく違い、年齢・経験年数・会社の規模でも上下します(詳しくは電気主任技術者の年収・報酬)。

  • メリット:毎月の固定給・賞与・社会保険などで収入が安定。営業や案件開拓は不要。
  • デメリット:収入の上限が給与体系に縛られ、大きく伸ばしにくい。

外部委託の収入

外部委託は「受け持つ施設の数と規模」で収入が決まります。施設ごとに、設備の種類と容量で決まる「換算係数」(業界では「点数」と呼ばれます)があり、1人が受け持てるのは換算係数の合計が33未満の範囲です[3]。料金は「1点あたりの単価×その施設の点数」で考える方法が紹介されており、単価は人や地域で大きく違い、ある電気管理技術者のブログでは、筆者自身の単価は1点あたり月15,000〜18,000円・持ち点(受け持つ施設の点数の合計)20点で月30万円ほどで、関東では1点あたり月25,000〜35,000円が妥当と言われている、と書かれています(前者は筆者自身の実例、後者は筆者が紹介している相場の見方で、どちらも経費を引く前の売上です)[4]。

  • メリット:担当を増やすほど収入を伸ばせる(上限の範囲で)。働く時間も自分で調整しやすい。
  • デメリット:案件を確保できないと収入が安定しない。電気保安法人どうしの価格競争で、地域によっては単価が下がったという指摘もある[4]。経費も自分で負担する。

比較表

観点 直雇用(ビルメン) 外部委託
収入の目安 勤め先の給与。近い職種の平均年収は、ビル施設管理 452.3万円、発電所運転管理 707.3万円(令和7年)[2] 1点あたりの単価×受け持つ点数。単価は人や地域で大きく違う[4]
収入の安定性 高い(固定給・賞与) 案件数しだい(営業力に依存)
収入の伸びしろ 給与体系に縛られる 担当を増やせば伸ばせる(換算係数の合計33未満まで)
働く自由度 勤務時間・配属は会社都合 自分で調整しやすい
始めやすさ 未経験・実務経験を積む段階でも可 免状に応じた実務経験(原則:三種5年等)が必要[1]
責任・リスク 会社の体制で分担 緊急対応・事故時の責任を自分で負う

どちらが向いているか

直雇用が向く人

  • まずは安定した収入と福利厚生を重視したい
  • これから実務経験を積む段階で、外部委託の要件をまだ満たさない
  • 緊急対応を一人で抱えるより、組織で分担したい

外部委託が向く人

  • 実務経験の要件を満たし、自分の裁量で収入を伸ばしたい
  • 定年後・セカンドキャリアとして経験を活かしたい
  • 太陽光・蓄電池など再エネ案件に関心がある

「直雇用で実務経験を積み、要件を満たしてから外部委託へ移る」という段階的なキャリアも現実的です。まずは自分の実務経験が外部委託の要件を満たすかを確認してみましょう。

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まとめ

  • 直雇用は収入が安定し未経験でも始めやすい。外部委託は自由度が高く、担当を増やせば収入を伸ばせる
  • 外部委託には免状に応じた実務経験(第三種は原則5年など)と、受け持てる量の上限(換算係数の合計33未満)がある
  • 相場は変動するため、最新の条件は個別に確認を
  • 段階的に直雇用→外部委託へ移る道もある

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出典

  1. 経済産業省 関東東北産業保安監督部「外部委託承認制度」 https://www.safety-kanto.meti.go.jp/electric/jikayou/e_gaibuitaku.html/実務経験・担当上限の根拠は平成15年経済産業省告示第249号(2026-06-09取得・一次情報)
  2. 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「ビル施設管理」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/95・「発電所運転管理」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/302・「電気技術者」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/272 の「賃金(年収)」。令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工した値で、その職業だけの統計ではない(2026-10-06取得・公的統計)
  3. 電気事業法施行規則 第52条の2(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50000400077)/平成15年経済産業省告示第249号 第3条(換算係数と上限33)PDF(2026-10-06取得・一次情報)
  4. 電気管理技術者の備忘録「電気保安外部委託の市場価格と相場理解と値段の決め方」 https://denmasu2.com/36/ / 同「電気管理技術者の点数と年収について」 https://denmasu2.com/002/ (2026-10-06取得・個人のブログ)
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